ハニー工房

福岡県の山奥、水や自然の美しい石釜で活動している週末養蜂家のサイトです。ニホンミツバチ、セイヨウミツバチに関する様々な知識の公開、また自家製の純粋ハチミツの販売も行っております。どうぞお気軽に足を運びください。


2013年07月

都会のミツバチさん Part2

さてさてお待たせしました!

都会のミツバチさん Part2

Part1内の動画でもお伝えしたように私が駆けつけたときはすでに群れは巣箱の床スレスレまで

巣を作っていました。

これがあまりいい状況ではなく、そのまま放っておくと巣がミツロウ(巣の原料でミツバチの体液や花粉から

できたもの)
によりくっついてしまい重箱を積み重ねることもできなくなり、無理に床から剥がそうとすると

巣自体が崩れ落ちてしまいます。

もちろんそうなったらほぼ完全に逃避してしまうでしょう。

そうなる前にせっかくの巨大分封群!

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しかも街中の排気ガスや公害にも負けずに頑張っているミツバチたちを見捨てるわけには行きませんよ!
(もちろん、ハチミツにも期待ができますwどんな味がするんだろう)

さてさて、はたして結果は銅だったのでしょうか?

それではご覧ください。GoGo↓↓↓



苦戦も苦戦しました(笑)

限られたスペースでの作業に加え、あの群れの巣箱の重たいのなんの!(汗

おそらく普通の分封群(約1万匹)の倍の数はいるでしょう。

もちろん重さはミツバチの重さではなく彼女らが貯めている蜂蜜の重量なのです。

一段が約4ℓ取れるとして単純計算で

4ℓ×2.5=10ℓ・・・

あがらないわけですよね。。。(^ω^;)

街中でどうしてこんなに強力な分封群が育っているのでしょうか?

ここからは私の憶測ですが、きっと山岳部よりも街中の方が彼女たちの動力源となる花の蜜や花粉が多いから

だと思います。これは明治から大正にかけての大規模な雑木林(昔から日本にある花の咲く樹木)の伐採、そ

れにともなう針葉樹(主にスギ)の植林事業でもともと日本にあった花を咲かせる木々が生えている山々が少な

くなったせいだからと思います。

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その反面街中に行けば花苗を扱う園芸店、一般家庭でのお庭、公園施設などなど・・・

おまけに外敵(スズメバチ、鳥など)も少ないからかもしれません。

今回の体験を通してもそうですし、これから先私たちにできることは限りある自然といかに上手く付き合って

いくかが大切だと思います。

街中の環境に上手く適応して一生懸命頑張っている彼女たちを見ていてそう思いました。

もしかすると私たちよりもずいぶんと先にミツバチたちはそういったことに気がついていたのかも知れませんね。

今後も彼女たちの活躍に乞うご期待!

それでは(^ω^)ノシ


情に厚いニホンミツバチ


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時々、養蜂作業の合間にニホンミツバチを観察していると実におもしろい発見があります。

たとえば、外での仕事を終え帰って来るミツバチたちを見ていると入り口の板に着地を失敗する者や

うまく減速できずにそのまま一旦旋回し着地しなおすもの、はたまたゴールが見えた瞬間に力が抜けるのか

(いろんな場面で人にもありますよねw)たどり着けずに地面に落下するものなど・・・

彼らは・・・・・いや、

彼女ら(働き蜂は全部がメス)は実に個性が豊かです。

季節的に花の蜜が少ない時期(真夏、真冬時など)はミツバチたちの食料が不足するので容器に砂糖水(砂糖

と水を1:1に混ぜたもの)
を非常食としてあたえるのですが、その際ちょっとしたはずみで砂糖水に溺れそうに

なって羽や体が砂糖水浸しになる蜂もいます。

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これがまたかわいらしいのですが、

その落ちた蜂が必死に羽をばたつかせ濡れた体を乾かそうとしてると

近くの仲間たちが傍によってきて動物で言えば『毛づくろい』でしょうか、口でその落ちた仲間の体や

羽を掃除するのです!


当初ミツバチを飼い始めた私はこれにとても驚いたのを覚えています。

他にもいろいろな行動があるので少しずつ写真等に納めれたら記事に上げていこうと思いますが、こん

強い絆で結ばれているのなんかもニホンミツバチの魅力だと思います。

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こんな小さな体でも人情みたいなものは私たちに負けないくらい大きいのかもしれないですね(笑)

        \ /
それではまた(^ω^)つ-ノシノシ

都会のミツバチさん part 1

近年テレビや雑誌などのメディアを通してニホンミツバチに関する様々なことが取り上げられています。

最近私が見たのはテレビにて、都心部のマンションの屋外などでニホンミツバチを飼育できるという

事でした。

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大自然の中で養蜂をしている私にとっては内心(うまくいくわけがないだろう^^;)なんて思っていたのですが

その2,3日後でした・・・

『事務所のベランダでニホンミツバチを捕まえてください!』

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皮肉にもこんな依頼が来たのです(笑)

当然、街中での養蜂は困難を極めるに違いない(自然の中でも難しいのに)ましてや、

捕獲するにも車、電車が行き来する街中でニホンミツバチを捕まえる事などできるのでしょうか?

というか・・・いるのでしょうか???

しかし、物は試しです。それにこういった依頼も

石釜を背負って立っている養蜂家として引くわけにはいきません!

『わかりました・・・』

半ば自分でも半身半疑で捕獲用の巣箱、キンリョウヘン(ニホンミツバチが好む東洋蘭)をもってベランダに

設置しにいき、依頼主さんとお茶を飲みながら世間話をしているところでした。



ブーン・・・

!!?

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あ、あれは偵察蜂!?

巣箱とキンリョウヘンを設置しものの5分ほどでした。

なんと分封前に住むのに適した環境を探る偵察係りの蜂(私たちの間では偵察蜂と呼んでいます)が巣箱の

周りを飛んでいるではありませんか!


(これはもしかするともしかするぞ・・・)

・・・2日後


・・・・・・・入りました。


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しかも元気に花粉を運んでおります!

巣箱に入って翌日、もしくは2,3日後に花粉を運んでくるのを確認できたらしばらくは逃避の確立も

ぐんと下がります。

とりあえずは安心です。

そして一ヶ月が過ぎ依頼主の方からこんな連絡がありました。

『夜、巣箱の外にものすごい数の働き蜂が出てきていて一生懸命巣箱の中に羽で風を

送っている』

私の頭に嫌~な予感がよぎり、後日様子を見に行ったときの様子です↓



次回の記事をお楽しみに!


奇襲!

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このハゼの木に小さくなって固まっているニホンミツバチの群れ

実はこれ・・・分封群ではありません。

では何か?

振り返ること数日前、何気に私が玄関から朝外に出たときでした。

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おおおおおおおおおおお!?

(こ、これは分封群か!?だとしたらすぐに捕獲だ!!!よっしゃ!)

その群れは何処に行くかと思いきや、先日逃げ出してしまったニホンミツバチの重箱へ・・・

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ご覧の有様です・・・(^ω^;)

実はこれ、先ほども述べましたがニホンミツバチの蜜を横取りに来たセイヨウミツバチによって逃避を余儀なく

され追われたニホンミツバチの巣に居着いたセイヨウミツバチが残りの仲間を引き連れて来て、巣箱を

一斉に占拠してしまったのです。

(下の写真は奇襲にあっている様子)

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ニホンミツバチよりも黄色くて一回り大きいのがお分かりでしょうか?

世間一般の人が『ミツバチ』と想像すると黄色と黒のツートンカラーを想像すると思いますが

それは実はニホンのミツバチではなく、セイヨウミツバチなのです。

とすれば、もしかすると私たちが愛してやまない某あの有名キャラも・・・

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セイヨウミツバチなのかもしれませんね(笑)

話が若干それたようですがw

冒頭の写真のニホンミツバチの群れは奇襲に合い逃避を余儀なくされた女王が

大勢の働き蜂をつれて逃げてしまったあと、この間外に働きに行っていてもどってきたら巣が

セイヨウミツバチに占領されていて途方にくれた者たちが数にしておおよそ200~300匹で巣に帰る

ことができず近くの木々に固まって止まっている様子です。

もちろんこの群れには女王蜂も存在しません。

こういった著しく小さな群れは次第に消滅してしまいます。

同じミツバチ同士できれば争って欲しくないのですが、こういったことも長くミツバチと接していると

珍しいことではありませんし、人間の力ではどうすることもできません。

これも自然の摂理か・・・

次はいったい何が起きるんだろう?なんて事を思いながら生物の厳しさも感じさせられた出来事でした。

石釜養蜂家の探求はまだまだ続きます(^ω^)

群れを捕獲用ウドから飼育用巣箱への移動



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ニホンミツバチを飼育するのに主流の巣箱ですが、捕獲の際この巣箱の入り口等にミツロウを

塗って、傍にキンリョウヘン(ニホンミツバチが強く好む東洋蘭の一種)を置くのが一般的です。

しかし、もっと効率がよいものがあります。

それはなんと・・・

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この自然木をくりぬいたものなのです。

私も以前、捕獲の際に実験したのですが一つは捕獲用の巣箱2個、もう一つはこのウド(自然木をくりぬいたものをここではウドと呼ばせてもらいます)3つ並べて

どれが一番最初に分封群が入るのかを試みました。

結果は・・・

ウドの圧勝

やはり当たり前かもしれませんが、より自然に近いもの、環境をミツバチは好むようです。

ただこのウドは管理に難点があり、本来の重箱のように分離ができないため一回の蜂蜜

を採る際に巣ごと崩してしまわなければなりません。

そこで私はミツバチの習性を利用しウドの頭に重箱を取り付けています。

こうしておけばミツバチは天井から巣を作り始めるので、ある程度巣が定着したところでウドから

重箱を外し他に用意しておいた重箱の下部と合体させればいいのです。

捕獲の際は入りやすいウド、飼育の際は重箱。

これがやっぱりベストだと思います!

作業風景はこちらです↓


いらっしゃいませ

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